確定拠出年金で本当にトクするのは誰か?

2019年4月8日

終身雇用・年功序列。この2つの日本独特の労働慣行が崩れはじめたのはいつの頃からだろう? 僕が社会人になったのは90年代のはじめ頃・・・その頃にはまだこの2つは存在していた。そして多くの人がこの日本的雇用システムの信奉者だった。

90年代のはじめ。バブルは崩壊していたけれど、日本はまだまだ元気だった。トレンディ・ドラマが大流行し、小室哲哉がミリオンセラーが連発していたような時代だ。まだGoogleもFacebookもAmazonも誕生していない頃の話だ。

 

あれから20年・・・この20年で世の中は大きく変わった。東芝やシャープがこんなことになるなんて、あの頃いったい誰が想像しただろう。僕が社会人になった頃、東芝やシャープなんて会社は雲の上の存在だった。そして、そこに勤める社員は「エリート中のエリート」だったんだ。

時代は変わるのだ・・・

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時代が変わってしまったことに気づかない人たち

ただこんなに時代が変わったのに、いまだにそれに気づいていない人もいる。時代の変化にうまく対応できていないのだ。僕は団塊ジュニアの世代だ。僕たちはバブルに浮かれる大人たちと、バブル崩壊に打ちひしがれる大人たちの両方を見て育った。

その大人たちから、僕らはこう教育された。

いい大学に行って、いい会社に就職して、定年まで真面目に勤め上げ、年金を満額もらう生き方をしろ!

「これが正解なのだ!」と教えられた。それこそが幸せになるための唯一の道だと教えられた。そして、その教えを胸に社会に飛び出していった。

ところが社会人になってすぐに「この教えがまったくの間違いであった」と気づく事件に遭遇する。1995年に起きたオウム真理教による「地下鉄サリン時代」だ。あの事件が何よりショックだったのは、あれが「いい大学に入って、いい会社に就職したような人たち」によって引き起こされた事件だったからだ。その事実に僕たちは強い衝撃を受けた。

 

きっと僕たちの親世代もショックを受けたに違いない。あれは、

  • 古い価値観や古いやり方はもう通用しない
  • エリート主義や学歴偏重主義は危険だ

ということを象徴し、暗示させる事件だった。あのとき僕たちは一瞬、学びかけたのだ。そして、それはとても大切な学びだったのだ。

 

もしもそれについてきっちり分析がなされ、それを本気になって役立てていたら、おそらく日本の未来は今よりもはるかに明るいものになっていたはずだ。

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時代に合わない教育制度

しかし僕たちは途中でそれについて考えることをやめてしまった。ものすごく大切な「学び」を一瞬つかみかけたけど、結局それを教訓にして活かすことはなかった・・・やがて僕たちは結婚し、家を買い、車を買った。そして会社のために真面目に働いた。大人たちから教えられたことを忠実に守って・・・

 

やがて子どもが生まれた。それぞれパパやママになり、今度は自分たちが子どもを教育する立場になったのだ。そして、そのとき驚くべきことが起こった!なんと僕たちはそこで自分が親やまわりの大人たちから教わったとおりの教育を子どもたちにしはじめたのだ。

つまり、

いい大学に行って、いい会社に就職して、定年まで真面目に勤め上げ、年金を満額もらう生き方をしろ!

と子どもたちに教えはじめたのだ。

それは親世代から散々、教えられ、頭に刷り込まれてきた教育だった。それですべてがうまくいくはずだと信じていた。だから子どもたちにも自分らが信じていることを教えようとした。

 

でもそれは明らかに古いOSだった。それは高度経済成長期(つまり、僕の親世代)には通用した考え方だったかもしれないが、今はまったくもって通用しない時代遅れの考え方だった。しかし、僕たちはその時代遅れの考え方に基づいた教育を自分の子どもたちにしようとしているのだ。

それには驚きを通り越して、「恐怖」すら感じる。時代はどんどん変わっていっているのに、時代に逆行するような教育を僕らは平気で自分の子どもたちにしているのだ。

一生懸命勉強して、いい大学に入って、いい会社に就職する

就職した後は定年まで真面目に働き、定年後は年金生活をおくる

これは「古き良き時代」の考え方であり、生き方だ。そして、この「古き良き時代」をベースにした教育を今の子どもたちにするということは、これからやってくる新しい時代に対応できない人間にさせることと同じ意味を持つ。

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確定拠出年金でいちばんトクをするのは誰か?

それはあまりにも危険なことのように僕の目には映る。僕が社会人になった頃、「年金は60歳になったらもらえるもの」と相場は決まっていた。それがいつの間にか年金の受給年齢が65歳に引き伸ばされ、今、政府ではなんとその年齢を「75歳」にしようとしている。

これは驚くべきことだ! 60歳と75歳。この15年の差はあまりにも大きすぎる。あまりにも違いすぎる。だからこそ今、『確定拠出年金』というものに注目が集まっている。

 

確定拠出年金は年金が60歳から受け取れて、運用がうまくいけば公的年金よりも多くを年金を受け取ることができるらしい。「公的年金はアテにならないし、75歳までなんかとても待ってられない」というわけだ。でも、この確定拠出年金でいちばんトクをするのは年金受給者でも個人投資家でもない。

 

いちばんトクをするのは『企業』だ。そのことを忘れてはいけない。パッと見は僕たちにメリットがあるように見える。「401k」とか「iDeCo」とかという横文字を聞くと、何やらカッコ良さげな印象も受ける。きっちり考えて運用すれば、なんだか大きな儲けも期待できそうだ。

僕はこれこそ、『時代の変化を象徴するものだ』と思っている。誰が考えたのかは知らないが、実に「巧み」だ。要するにこれは、企業が「もうお前らの面倒は見ないから、あとは勝手に自分たちでやってね」という年金なのだ。

 

さらに「うまくいくかどうかは市場の動向しだいだよ。あとは知らないよ」という年金なのだ。それはそれまでの確定給付型の年金プランとはまったく違うものだ。

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責任を負うのは個人

企業はこれを導入することによって、もう従業員の面倒を見なくてもよくなった。社員の将来や老後の生活について、責任を負う必要がなくなった。

いま一度、考えてみてほしい。確定拠出年金でいちばんトクをするのは誰だろうか? 果たして僕たちは本当に上手に運用し、60歳になったらその恩恵を受けることができるのだろうか?

 

僕はこれからますます確定拠出年金が普及してゆくと思っている。そのうち、「確定給付型年金」のことなんて誰も憶えていない時代がやって来るはずだ。このまま少子化が続けば、やがて公的年金制度そのものは崩壊するだろう。僕たちが65歳になる頃にはスズメの涙程度の年金しかもらえないはずだ。

 

あるいは受給年齢が75歳くらいになっているかもしれない。それが明るみになればなるほど、ますます確定拠出年金に脚光が浴びることになるだろう。そして、従業員の面倒を見なくても済むようになった企業の業績はますますUPするだろう。

内部留保もたまり、それにつれて株価も上昇するだろう。確定拠出年金というのは、実は投資や資産運用の話ではないのだ。『生き方』についての話なのだ!

 

一見すると、「新しい時代にマッチした新しい年金プラン」のように見える。だけど、よくよく目を凝らしてみれば、そこから透けて見えてくるのは「古い時代の考え方」にしがみつく僕たちの姿だ。確定拠出年金は何も新しくもなければ、未来型の年金でも何でもない。

この根底にあるのは相変わらずのこの考え方だ・・・

いい大学に行って、いい会社に就職して、定年まで真面目に勤め上げ、年金を満額もらう生き方をしろ!

「企業型DC」だろうが、「個人型DC」だろうが関係ない。もしもその運用に失敗したらどうする? 当てが外れたらどうする?

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自分の身は自分で守る

今までの確定給付型の年金プランは加入期間などによってもらえる年金の額がある程度は決まっていた。しかし確定拠出型の年金プランは、そうではないのだ。本当にそういったものに将来を託してもいいのだろうか? 本当の意味での新しい時代にマッチした生き方とは、どんなことが起きてもサヴァイヴしていけることなのではないだろうか?

 

年金なんてものに頼らなくても自分の足で立って歩いていけるだけのしっかりとした土台を築き上げることなのではないないだろうか? それはいい大学を卒業することだろうか? いい会社に就職することだろうか? 定年まで真面目に勤め上げることだろうか? 年金を当てにすることだろうか?(それが給付型であれ、確定拠出型であれ)

 

はっきり言って、僕は年金なんか最初から当てにしていない。「もらえればラッキー!」程度に捉えている。だから年金制度が破綻しようがどうなろうが、僕としては「どうでもいい」と思っている。

僕は自分の身は自分で守る。

僕は商売人だ。商売人だから、自分の老後はビジネスの力でサヴァイヴしてゆくつもりだ。年金なんていうどうにかなるようなものに自分の未来を託すなんてことは、とても恐ろしくてできない。でも僕たちは今日も明日も子どもたちにこう教えるのだ。

いい大学に行って、いい会社に就職して、定年まで真面目に勤め上げ、年金を満額もらう生き方をしろ!

 

なぜだろうか? なぜ僕たちはいつもこれをベースにものを考えるのだろう? 僕たちは子どもたちに「商売人なれ」「投資家になれ」「事業家になれ」とは決して教えない。これから先も教えることはないだろう。それってなんだか面白いよね。

いや、笑いごとじゃないんだけどさ・・・

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