オススメ本・岡田尊司著『父という病』について
著者 岡田尊司
出版社 ポプラ社
分類 実用書
出版日 2015/1/5
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目次
『父という病』とはどういう本なのか?
以前は家庭の中で絶対的な地位を誇っていた「父親」という存在。
でもそんな父親の地位も時代の変節とともに次第に失墜しつつある。
家庭の中でも父親の居場所はどんどんなくなり、そのことが父親自身にも(そして、それ以外の家族にとっても)精神的な影響を及ぼしはじめる。
精神科医という立場から見た『父親論』。
ヘミングウェイやガンジー、ハンナ・アーレントという著名人が抱えた父親との葛藤などを実例に、わかりやすく父親という存在について語っている。
僕も2人の息子の父親。
読み進めてゆくうちに胸が締めつけられるような文章がたくさんあった。
僕と同じようなパパ、お父さんの立場の人はもちろんのこと、ご主人のことで悩んでいる奥さん、さらに父親のことで悩んでるお子さんひっくるめてみんなで『父親』ということについて考えてみてほしい。
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著者の紹介
岡田尊司
1960年、香川県生まれ。
精神科医、作家。医学博士。
東京大学哲学科中退。京都大学医学部卒。
京都大学大学院医学研究科修了。
長年、京都医療少年院に勤務した後、岡田クリニック開業。
岡田クリニック院長。山形大学客員教授。
パーソナリティ障害、発達障害治療の最前線に立ち、臨床医として人々の心の問題に向かい合う。
※この書籍が刊行された当時に掲載されていたもの
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家庭に関心が高い父親は社会的成功という点では、そうでない父親よりも劣っているという皮肉な結果が示された。
これはとても興味深い話だ。
でも言われてみれば、僕が尊敬している経営者やお金持ちなどの中で「家庭を顧みない」というタイプが非常に多い。
エネルギーを仕事や自分の事業に集中させているせいだろうか?
本来、父親とは情け容赦のない恐ろしい存在だった。
社会の掟やルールを教える、厳しい師という意味において。
言い換えれば、子どもを家から追い出し、自立させるという役割を担っていたのだ。
憎まれ役になってでも、一切妥協せず、「死刑宣告」を下したのだ。
父親は親しみのもてる相手というよりも、何の相談もなく子どもの将来を勝手に決めてしまう絶対的な暴君だった。
この感覚、よくわかる。
僕自身も父親が厳しい人で、決して親しみの持てる相手ではなかった。
そこには憎しみにも似た感情がいつも入り混じっていた。
だけどこうして歳を重ねて、自分自身が父親という立場になってみた今、「そういう存在がいるということは人生にとって重要なことだったんだ」と思うようになった。
つまり、父親への反発心はそのままエネルギーになり、『次の扉を開けるパワー』へと昇華されるということだ。
それは言うまでもなく「自立」や「独立」を意味する。
僕の中に憎き父親から離れようという意思が働き、そのことが結果的に僕の人生を好転させる原動力になったのだ。
子どもが自立する過程においては、こうした父親の厳しさや距離感が役に立つ。
べたべた絶えずそばにいて、口うるさく指導するわけではないが、言葉少なに語られたことや父親の普段の行動が子どもに大きな影響力をもつ。
いちいち手出しされない方が子どもとしては自分を発揮しやすい面もある。
自立とは所詮、手取り足取り指導できるものではなく、自分で模索して掴み取るしかないものだ。
そうした点からすると、今日の優しくなった父親は逆に不都合な事態を生みやすくなる。
つまり、優しすぎる父親は子どもを自立させるうえで、あまりうまく機能しなくなったのだ。
ありていに言えば、父親が子どもを家から追い出せなくなったのだ。
僕の長男は中学1年生なのだが、最近特に僕のことを鬱陶しがるようになってきた。
その態度は父親にとってとても寂しい思いをさせる。
「小さい頃はあんなに僕のところに寄ってきていたのに・・・」
でもそれは子どもが成長してゆく過程において必要なことなのだと思う。
僕自身もそうだった。
いつまでもベタベタしている父と子の関係というのは、子どもの自立を妨げるものなのかもしれない。
そう言われてみれば、僕の知り合いでひきこもりになってる人がいるが、その父親は絵に描いたような優しそうな父親だ。
いわゆる昔ながら「厳格な父」とは180度違うタイプの父親だ。
もしかしたら、そのことが子どもがひきこもりになったことに影響を及ぼしているのかもしれない。
子どもというものは本来、父親と母親の両方を必要としている。
子どもにとって一人の親に独占されるよりも、父親と母親に共有されて、どっちつかずに育つことがもっともバランスの良い、健全な成長を遂げやすい。
父親と母親という資質な存在のあいだに、微妙なバランスをとることの方が自己確立を成し遂げやすい。
二つの極の間にあるが、どちらの極からも自由であるという関係が主体性や個性を育む上で具合がいいのだ。
うちの奥さんも正直言って、僕という父親のことを家庭内で排除し、子どもを自分の思い通りにしようとするところがある。
でも、そういったことは多かれ少なかれどのご家庭でもあることなのかもしれない。
しかし、それがあまりにも度が過ぎ、母親が子どもを独占しようとすると、子どもは無意識にそれに気がつくのだそうだ。
家庭内暴力や問題行動を起こす子の家に母子家庭であったり、父親が不在がちであったり、父親が頼りないタイプの家であったりするケースが多いという。
その姿を見て世間では「父親が悪い!」と簡単に結論づけてしまいそうになるが、実はその裏で糸を引いているのは母親かもしれないのだ。
もっと言えば、母親の差し金や企みが結果的に悲劇を招くことになるかもしれないのだ。
一人の親の強い支配を受けてしまうと、その子は窮屈さを抱えてしまう。
主体性でも個性でもない、母親が望んだ通りの薄っぺらいコピーにさせられかねない。
世の中ではうまく通用しないということも起きやすい。
バランスの良い発達のためには、父親というもう一つの極が必要だったのだ。
父親には至らないことが多々あるだろう。
母親はそんな父親の姿に我慢ができず、父親を攻撃し、子どもから引き離そうとする。
しかし、どんなに母親の考えが正しいとしても、また、どんなにその父親が立派とはほど遠い人間だったとしても、やはりそれもひっくるめた関係をキープした方がいいのではないかと僕は思う。
これは親子関係のことだけじゃない。
政治においても、経済においても、恋愛においても、仕事においても、etc・・・
『白か、黒か』『Aか、Bか』という二元論は危ない!
やっぱりここでもキーワードとなるのは、バランスである。
バランスのとれた親子関係こそが、子どもの発育には必要なことなのかもしれない。
だから世のお母さんたち、あんまりお父さんをイジメないで!笑
乳幼児期においては、母親の役割は圧倒的に重要だ。
忍耐強く、行き届いた世話をするということにかけて、所詮父親は母親には敵わない。
しかし、子どもがもう少し大きくなるにつれて、父親の役割は増大してくる。
まずは母親からの分離を助けるとともに、子どもに世の中の掟や厳しさというものを教える。
また、遊びということにかけては、父親は母親の追随を許さないものがあり、子どもたちの行動や知的好奇心を刺激する。
さらに思春期から青年期にかけ、父親の存在は一段と重要性を増す。
社会へと誘う導き手として、エスコート役、コーチ役、ときには反面教師を果たす。
こうした父親のバックアップを受けられる子どもは、幸運だと言える。
それゆえ、子どもは父親を求める。
現実の父親が用をなさない場合は、心の中に作り出した理想の父親像を追い求めることによって現実の欠如の埋め合わせをしようとする。
この一文はある意味において救いになるものかもしれない。
確かに母親はやさしい。
子どもを包み込み、抱擁する。
しかし、子どもが成長してゆくにつれて、それでは満足しなくなってゆく。
特に男の子の場合はそうだ。
やっぱり社会に出て活躍したい!という野心のようなものも芽生えてくる。
いつまでもヌクヌクとした環境にいること自体に満足しなくなってくる。
そんなとき、父親という存在は大切になってくると思う。
それまでは目の上のたんこぶ的な憎しみの対象でしかなかったものが「人生の先輩」として「狩りをする時のお手本」としての存在に様変わりするような気がする。
ぜひみなさんも読んでみてください!
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