オススメ映画『フルメタル・ジャケット』(1987年)について

2019年6月15日

映画『フルメタル・ジャケット』とはどのような映画なのか?

ベトナム戦争時、アメリカの海兵隊のキャンプ地で鬼軍曹によって徹底的にシゴかれる兵士たち。彼らはしだいに人間性が崩壊していき、単なる戦争マシーンへの変貌してゆく・・・

 

監督は巨匠、スタンリー・キューブリック。

脚本は『地獄の黙示録』のマイケル・ハーが担当した。

前半の新人兵士の訓練の様子と、後半のベトナムの戦地の様子の2部構成というユニークなつくりが話題になった。

 

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映画『フルメタル・ジャケット』を観た僕の感想(レビュー)

映画がはじまってから延々とリー・アーメイ扮する鬼軍曹による徹底的な兵士たちのしごきを観れられる。

とにかく罵倒、罵倒、罵倒・・・の連続で、兵士たちはどんどん追い詰められてゆく。

 

でも、実はこれ、政治、会社、部活、家庭、宗教、ビジネス、etc・・・いろんなところで利用されている洗脳の方法でもある。

まず、徹底的に恐怖で支配する。

人格を否定して、自信を喪失させ、空っぽにする。

 

そうやって徹底的に真っ白にしておいて、そこに「これが答えなんだ!」「これが正解なんだ!」という答えを提示する。

そのことによって、その洗脳を受けた人は「これしかないんだ!!」という視野狭窄に陥り、誰よりも熱心に信じるようになる・・・

 

キューブリックはそのことを描いている。

だからこそ、映画の前半部分まるまるを使って、徹底的に兵士たちを追い詰める場面を映してゆく。

そして晴れて洗脳を受け、単なる戦争マシーンになった兵士たちは、戦場へと送り込まれてゆくのである。

 

完全に人間性を失い、まるで子供のように恐ろしい純粋さを身につけた兵士たちは戦場へと送り込まれてゆく。

そして、そこでは世にも恐ろしい行為が行われることになる。

 

エンディングで兵士たちが歌う『ミッキーマウス・クラブのマーチ』は、とても不気味だ。

それでいてどこか滑稽でもある。

この見事な皮肉はキューブリックらしい。

 

この『クラブ』とはここではもちろんアメリカ軍のことを指しているのだが、いろんなことに置き換えることができる。

クラブとは「集団」を意味する。

それは国家だったり、地域社会だったり、会社だったり、宗教だったり、考え方だったりに置き換えることができるだろう。

 

キューブリックはそういう集団心理の狂気性を描きたかったんだと思う。

確かに集団心理の中に埋没し、自分を見失ってる人がたくさんいる。

そして、その危険性に本人はまったく気づいていないのだ・・・

 

これはキューブリックらしい皮肉に満ちた反戦表明だ! 

ラストのローリング・ストーンズの『黒くぬれ!』は、そのことを象徴している。

 

このエンド・ロールは映画史上に残るカッコ良さだ!

 

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映画『フルメタル・ジャケット』キャスト

  • ジェイムズ・T・デイヴィス(ジョーカー):マシュー・モディーン
  • レナード・ローレンス(ほほえみデブ);ヴィンセント・ドノフリオ
  • ハートマン軍曹:R・リー・アーメイ
  • エヴァンズ(カウボーイ):アーリス・ハワード
  • アニマルマザー:アダム・ボールドウィン
  • エイトボール:ドリアン・ヘアウッド
  • ラフターマン:ケビン・メージャー・ハワード
  • ウォルター・J・シノスキー (ミスター・タッチダウン):エド・オロス

 

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映画『フルメタル・ジャケット』スタッフ

  • 監督:スタンリー・キューブリック
  • 脚本 :スタンリー・キューブリック、マイケル・ハー、グスタフ・ハスフォード
  • 原作:グスタフ・ハスフォード『ショート・タイマーズ』
  • 制作:スタンリー・キューブリック
  • 製作総指揮:ヤン・ハーラン
  • 音楽:アビゲール・ミード
  • 撮影:ダグラス・ミルサム
  • 編集:マーティン・ハンター
  • 配給:ワーナー・ブラザース
  • 公開:1987年6月26日(アメリカ)、1988年3月19日(日本)
  • 上映時間:116分

 

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映画『フルメタル・ジャケット』トリビア

  • マシュー・モディーン扮するジョーカー二等兵は、撮影開始前の脚本では最後に死亡する設定になっていた。ところが共同脚本を担当したマイケル・ハーはそれに猛反対。キューブリックとのあいだで激しい議論があったといわれている。
  • オープニングで新兵の髪を刈るシーンで使用されたのはフレンチ・ブルドッグ用のバリカンで、実際の床屋を現地に呼んで撮影が行われた。
  • 鬼教官を演じたリー・アーメイは本物のアメリカ海兵隊の教官で、当初は「アドバイザー」として本作にたずさわっていたが、本物の迫力に圧倒されたキューブリックは、彼を鬼教官役に抜擢した。
  • カウボーイが交信するマーフィという男の声はキューブリック本人である。
  • リー・アーメイのマシンガンのように兵士たちを罵倒する言葉のほとんどはアーメイのアドリブによるものだった。その罵詈雑言があまりにも凄かったため、なかには怒り出すキャストもいたそうだ。
  • 「フルメタル・ジャケット」とは硬い金属で覆われた弾丸のことで、この言葉からイメージされるのは洗脳という硬い金属覆われた兵士たちの人間性だ…

 

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